2023/03/13

大幅な引上げとなる障害者の法定雇用率

皆様ご無沙汰しております。総務責任者のKです。

 新型コロナウイルスも令和5年5月8日から季節性インフルエンザと同等の5類に見直されることが決定し、感染対策として進められてきたマスク着用も令和5年3月13日から「マスク着用は個人の判断が基本」と方針が変更となりますね。この3年でマスク姿が定着しており、その間に入社した部下の顔もマスクを外した姿は数回しか見たことのない方もいています。

 当社は基本的に国の方針に準じて個人の判断を尊重していきますが、皆さんの周りはいかがでしょうか。

 私は出来る限りマスクを外そうと考えていますが、インフルエンザや過去10年で最多とも言われている花粉飛散数を考えるとマスクを手放せない方も多いと思います。最近でも卒業式のマスク着用の有無で学校により考え方が分かれたようにしばらくは賛否両論が繰り返されるのかなと思っています。

 千差万別、色々な考え方があると思いますが「本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、個人の主体的な判断が尊重されるよう」配慮される社会であって欲しいと願っています。

 

 それでは、今回は大幅な引上げとなる障害者の法定雇用率について少しお勉強したいと思います。

 

 企業は障害者雇用促進法に基づき、一定人数の障害者を雇用する義務があります。雇用すべき人数は、全労働者に対する対象障害者の割合を基準として算出する法定雇用率に基づき決まります。法定雇用率は少なくとも5年毎にこの割合の推移を勘案して設定することとされており、現行の法定雇用率は2018年4月に変更されていることから、2023年4月に新しい法定雇用率に見直されることになります。では、今後の法定雇用率の動き等について確認していきましょう。

 

1.法定雇用率

 民間企業における現行の法定雇用率は2.3%とされていますが、2023年4月より2.7% に引き上げられる予定です。ただし、引上げ幅が大きいこともあり雇入れに係る計画的な対応ができるよう、2023年4月から1年間は2.3%で据え置き、2024年4月から2.5%、2026年7月から2.7%と段階的に引き上げられる予定となっています。

 法定雇用率が2.7%となった場合、1人以上の障害者を雇用すべき企業の範囲が、現行の従業員数43.5人以上から37.5人以上に広がります。

 

2.除外率の引下げ

 障害者の就業が一般的に困難であると認められる業種(建設業、道路貨物運送業、医療業 など)について、雇用する労働者数を計算する際に除外率に相当する労働者数を控除(障害者の雇用義務を軽減)する制度があります。この除外率は2004年4月以降、廃止に向けて段階的に引下げ・縮小が行われており、2025年4月からは10%引き下げられる予定です。

 この引下げにより、除外率が5~10%となっている非鉄金属製造業(非鉄金属第一次製錬精製業を除く)、倉庫業、航空運輸業、窯業原料用鉱物鉱業(耐火物・陶磁器・ガラス・セメント原料用に限る。)等の計9業種については除外率の適用対象外となります。その一方で、警備業、介護老人保健施設、介護医療院の3業種が新たに加えられる予定です。

 

3.短時間労働者の実雇用率に算定する特例  

 現行、法定雇用率の算定に含めることのできる労働者は、週の所定労働時間が20時間以上の人だけですが、今後、週の所定労働時間10時間以上20時間未満の重度身体障者、重度知的障害者および精神障害者については、就労機会の拡大のため実雇用率に算定できるようになります。これは2024年4月より施行されることがすでに決定しています。

 法定雇用率の引上げに伴い、自社において障害者の雇用義務が発生するのか、発生する場合には何人の雇用が必要なのかを確認し、採用等の対応を進めていきましょう。なお、法定雇用率を超えて雇用している企業には、障害者雇用調整金が障害者1人につき月額 2.7万円支給されますが、この金額は月額2.9万円に引き上げられる予定です。

 

 この内容は2023年2月2日時点の情報になりますので、変更になる可能性も十分に考えられます。実際に検討する際は最新情報をご確認ください。

【参考】 障害者雇用分科会ウェブサイト:

    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-rousei_126985.html

 

全ての方が遣り甲斐を持って仕事が出来るよう、環境の構築に取り組んで参ります。

今後とも、どうぞよろしく御願いします。

K